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数ある魚種の中で、数量の多いものから順に三つ挙げよと問われたら、 果たしてどんな答えが返ってくるか、些か興味深いものがあります。私の予想するところでは、ほぼ間違いなく、まずは大衆魚の代表格といって憚らないイワシ、アジ、サバあるいは高級魚として揺ぎない地位にあるマグロ、さしずめこんなところだろうと思います。そんなことは常識だヨという人には甚だ退屈な話かと思いますが、イカに拘る者としては些か納得し難い思いもあり、ある種の期待を込めて漁業白書(農林統計協会:平成9年度版)に目を凝らしたというわけですが、折角の機会です平成8年に焦点を絞り紹介するとサバ類(76万トン)、スルメイカ(44万トン)、カタクチイワシ(35万トン)これが上位3種とすると次にマアジ、スケトウ(各33万トン)、マイワシ(32万トン)と続きます。
こうして見るとイワシ、アジ、サバが大衆魚と言われる所以も納得できるというもので、格別これに異を唱えるものではありませんが、ここで我等のイカが堂々2位(ただし、イワシ類を67万トンにすると3位、同じくイカも類として扱うと1位かも?)にあるという紛れもない事実、わが予想が的中したという自己満足とは裏腹に、これほど大量に世に出ていながら何故メジャー扱いされずにいるのか、イカ自身の奥ゆかしさを知るが故に、一足飛びにマグロの位にいかずとも、せめてイワシ、アジほどには扱って欲しいと思うのですが身分不相応というものでしょうか。(イカにとっては迷惑な話かも)確かに魚と称するものの一般的イメージからすると姿、形からして、これぞ流線型の原型といっていいイワシ、マグロの類を思い浮かべますが、これとは似ても似つかぬどころか、一見して立派過ぎるほどの耳(ひれ)、手足(腕)をそなえ、海で生きること、すなわち泳ぐという動作に支障こそあれ何の役に立つと思いきや驚く無かれ、その素早さときたらイワシも裸足で逃げ出すほどで、その上ゴスタン(後進)、ストーッ(停止)も自由自在、挙句の果てには墨まで撒き散らすときては、なるほど一人蚊帳の外となるも詮無い話かと思う反面、生まれて此の方「イカの町」に住みイカに生かされて来た我が身にすれば、とてもの事これで善い筈もなく、今ようやくにして同じ思いの仲間が集い、ここは一番我等がイカにささやかな恩返しでもと思い立ったわけです。
イカの潜在能力とその効用については今更紹介するまでもなく、まだまだ無限の可能性を秘めており、今後の展開を考えると胸踊るものがありますが、ここに話が及ぶと際限なくなりますので別枠でじっくりと「イカの世界」に浸ってみたいと思います。
ここは折角の機会です。大衆魚、高級魚という世界に今少し足を踏み入れ、世界に冠たる(?)水産国日本の魚事情の一端に触れるのも一興かとおもいますが、いかがなものでしょう。試みに昭和63年マイワシの生産量が449万トン(平成8年の14倍)と記録されています。